最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-05-16から1日間の記事一覧

夫婦同居申立事件の審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告

昭和40年6月30日最高裁判所大法廷決定 裁判要旨 一 家事審判法第九条第一項乙類第一号の夫婦の同居その他夫婦間の協力扶助に関する処分の審判についての規定は、憲法第三二条、第八二条に違反しない。二 夫婦の同居義務等を前提とする審判が確定した場合でも…

 婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚した場合における婚姻費用分担請求権の帰すう

令和2年1月23日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても,これにより婚姻費用分担請求権は消滅しない https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89187 https://www.courts.go.jp/app/files/hanre…

共同相続人の一人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否

平成21年1月22日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 金融機関は,預金契約に基づき,預金者の求めに応じて預金口座の取引経過を開示すべき義務を負う。2 預金者の共同相続人の一人は,共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき,被相続人名義の…

抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間不動産を用益した者が賃借権の時効取得を当該不動産の競売又は公売による買受人に対抗することの可否

平成23年1月21日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継…

内閣官房報償費の支出に関する政策推進費受払簿,出納管理簿及び報償費支払明細書に記録された政策推進費の繰入れの時期及び金額,一定期間における政策推進費又は内閣官房報償費全体の支払合計額等を示す情報が,情報公開法5条3号又は6号所定の不開示情報に該当しないとされた事例

平成30年1月19日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 内閣官房報償費の支出に関する報償費支払明細書に記録された調査情報対策費及び活動関係費の各支払年月日,支払金額等を示す情報は,これが明らかになると,当該時期の国内外の政治情勢や政策課題,内…

公共工事の請負者が保証事業会社の保証の下に地方公共団体から支払を受けた前払金について地方公共団体と請負者との間の信託契約の成立が認められた事例

平成14年1月17日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 地方公共団体甲から公共工事を請け負った者乙が保証事業会社丙の保証の下に前払金の支払を受けた場合において,甲と乙との請負契約には前払金を当該工事の必要経費以外に支出してはならないことが定められ…

 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律7条1項,32条1号所定の罰則を伴う届出制度は,憲法21条1項に違反しない。

平成26年1月16日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律7条1項,32条1号所定の罰則を伴う届出制度は,憲法21条1項に違反しない。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/…

1外国人が国民健康保険法5条所定の「住所を有する者」に該当するかどうかを判断する際の考慮要素  2我が国に不法に残留している外国人が国民健康保険法5条所定の「住所を有する者」に該当するとされた事例

平成16年1月15日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 外国人が国民健康保険法5条所定の「住所を有する者」に該当するかどうかを判断する際には,在留資格の有無,その者の有する在留資格及び在留期間が重要な考慮要素となり,在留資格を有しない外国人が…

信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結され融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,信用保証協会の保証契約の意思表示に要素の錯誤がないとされた事例

平成28年1月12日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 信用保証協会と金融機関との間で保証契約が締結され融資が実行された後に主債務者が反社会的勢力であることが判明した場合において,信用保証協会の保証契約の意思表示に要素の錯誤がないとされた事例 htt…

普通地方公共団体が,土地開発公社との間で締結した土地の先行取得の委託契約に基づく義務の履行として,当該土地開発公社が取得した当該土地を買い取る売買契約を締結することが違法となる場合

平成20年1月18日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 普通地方公共団体が,土地開発公社との間で締結した土地の先行取得の委託契約に基づく義務の履行として,当該土地開発公社が取得した当該土地を買い取る売買契約を締結する場合であっても,次の(1)又は(2)…

相続に関する不当な利益を目的としない遺言書の破棄隠匿行為と相続欠格事由

平成9年1月28日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 相続人が相続に関する被相続人の遺言書を破棄又は隠匿した場合において、相続人の右行為が相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、右相続人は、民法八九一条五号所定の相続欠格者に当た…