最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-05-07から1日間の記事一覧

文書提出命令に対する許可抗告事件

平成11年11月12日最高裁判所第二小法廷決定 裁判要旨 一 ある文書が、その作成目的、記載内容、これを現在の所持者が所持するに至るまでの経緯、その他の事情から判断して、専ら内部の者の利用に供する目的で作成され、外部の者に開示することが予定されてい…

医師に患者を適時に適切な医療機関へ転送すべき義務を怠った過失がある場合において転送が行われていたならば患者に重大な後遺症が残らなかった相当程度の可能性の存在が証明されるときの開業医の不法行為責任の有無

平成15年11月11日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 1 開業医が,その下で通院治療中の患者について,初診から5日目になっても投薬による症状の改善がなく,午前中の点滴をした後も前日の夜からのおう吐の症状が全く治まらず,午後の再度の点滴中に軽度の…

刑事事件の法廷において身体の拘束を受けている状態の被告人の容ぼう,姿態を描いたイラスト画を写真週刊誌に掲載して公表した行為が不法行為法上違法とされた事例

平成17年11月10日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 人はみだりに自己の容ぼう,姿態を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有し,ある者の容ぼう,姿態をその承諾なく撮影することが不法行為法上違法となるかどうかは,被撮…

破産免責の効力の及ぶ債務の保証人とその債権の消滅時効の援用

平成11年11月9日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 主債務者である破産者が免責決定を受けた場合に、免責決定の効力の及ぶ債務の保証人は、その債権についての消滅時効を援用することができない。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52612…

特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において譲渡した特許製品につき加工や部材の交換がされた場合に,当該加工等が特許製品の新たな製造に当たるとしてその特許製品につき特許権の行使が許されるといえるかどうかの判断基準

平成19年11月8日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 特許権者又は特許権者から許諾を受けた実施権者が我が国において特許製品を譲渡した場合には,当該特許製品については特許権はその目的を達成したものとして消尽し,特許権の効力は,当該特許製品の使…