最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-07-11から1日間の記事一覧

 債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が差押債権の取立てとして金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象となるか

平成29年10月10日最高裁判所第三小法廷決定 裁判要旨 債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が当該債権差押命令に基づく差押債権の取立てとして…

土壌汚染対策法による土壌汚染状況調査報告義務付け処分取消請求事件

平成24年2月3日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 土壌汚染対策法3条2項による通知は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/970/081970_hanrei.pdf 1 本件は,土壌汚染対策法(「法」)3条1項所定の…

非公開会社において株主総会の特別決議を経ないまま株主割当て以外の方法によってされた募集株式発行の効力

平成24年4月24日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 1 取締役会が商法(平成17年法律第87号による改正前のもの)280条ノ21第1項に基づく株主総会決議による委任を受けて新株予約権の行使条件を定めた場合において,新株予約権の発行後に上記行使…

共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合における共有物分割と遺産分割の関係   遺産共有持分の価格を賠償させる方法による共有物分割の判決がされた場合に支払われる賠償金の性質とその支払を受けた者の保管義務

平成25年11月29日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 共有物について,遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合,共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴…

暴行態様,傷害の内容,死因等の表示が概括的であっても傷害致死罪の訴因の特定に欠けるところはないとされた事例

平成14年7月18日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 「被告人は,単独又は甲及び乙と共謀の上,平成9年9月30日午後8時30分ころ,福岡市a区所在のビジネス旅館Ab階c号室において,被害者に対し,その頭部等に手段不明の暴行を加え,頭蓋冠,頭蓋底…

管理者が管理する,公務員宿舎である集合住宅の1階出入口から各室玄関前までの部分及び門塀等の囲障を設置したその敷地が,刑法130条の邸宅侵入罪の客体に当たるとされた事例

平成20年4月11日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 管理者が管理する,職員及びその家族が居住する公務員宿舎である集合住宅の1階出入口から各室玄関前までの部分及び同宿舎の各号棟の建物に接してその周辺に存在し,かつ,管理者が外部との境界に門塀…