最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-04-28から1日間の記事一覧

債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡は,破産法72条2号に基づく否認権行使の対象となる。

平成16年7月16日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 債権譲渡人について支払停止又は破産の申立てがあったことを停止条件とする債権譲渡契約に係る債権譲渡は,破産法72条2号に基づく否認権行使の対象となる。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/de…

賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料の支払を約する条項の消費者契約法10条にいう「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」該当性

平成23年7月15日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 消費者契約法10条は,憲法29条1項に違反しない。2 賃貸借契約書に一義的かつ具体的に記載された更新料の支払を約する条項は,更新料の額が賃料の額,賃貸借契約が更新される期間等に照らし高額に…

 被害者の有する自賠法16条1項の規定による請求権の額と労災保険法12条の4第1項により国に移転した上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合において、自動車損害賠償責任保険の保険会社が国の上記請求権の行使を受けて国に対してした支払の効力

令和4年7月14日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 被害者の有する自賠法16条1項の規定による請求権の額と労災保険法12条の4第1項により国に移転した上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合であっても、自動車損害賠…

市が主催し神式に則り挙行された市体育館の起工式が憲法二〇条三項にいう宗教的な活動にあたらないされた事例

昭和52年7月13日最高裁判所大法廷判決 裁判要旨 一、憲法の政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものではあるが、国家が宗教とのかかわり合いをもつことを全く許さないとするものではなく、宗教とのかかわり合いをもたらす行為目的及び効…

消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者契約法10条により無効ということはできないとされた事例

平成23年7月12日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,保証金から控除されるいわゆる敷引金の額が賃料月額の3.5倍程度にとどまっており,上記敷引金の額が近傍同種の建物に係る賃貸借…

不動産の共有者の1人が不実の持分移転登記を了している者に対し同登記の抹消登記手続請求をすることの可否

平成15年7月11日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 不動産の共有者の1人は,共有不動産について実体上の権利を有しないのに持分移転登記を了している者に対し,その持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる。 https://www.courts.go.jp/app/hanr…

被相続人の占有により取得時効が完成した場合において共同相続人の1人が取得時効を援用することができる限度

平成13年7月10日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 被相続人の占有により取得時効が完成した場合において,その共同相続人の1人は,自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=6…