最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-05-03から1日間の記事一覧

民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告において請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由とすることの許否

令和4年10月6日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 民事執行法197条1項2号に該当する事由があるとしてされた財産開示手続の実施決定に対する執行抗告においては、債務名義の正本に表示された金銭債権である請求債権の不存在又は消滅を執行抗告の理由と…

訴訟代理人の訴訟行為排除決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件

平成29年10月5日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 1 弁護士法25条1号に違反する訴訟行為及び同号に違反して訴訟代理人となった弁護士から委任を受けた訴訟復代理人の訴訟行為について,相手方である当事者は,裁判所に対し,同号に違反することを理由…

捜索差押許可状の呈示に先立ってホテル客室のドアをマスターキーで開けて入室した措置が適法とされた事例

平成14年10月4日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 被疑者が宿泊しているホテル客室に対する捜索差押許可状の執行に当たり,捜索差押許可状の呈示に先立って警察官らがホテル客室のドアをマスターキーで開けて入室した措置は,差押対象物件である覚せい剤を…

 一 特許法79条にいう発明の実施である事業の準備の意義   二 先使用による通常実施権の範囲

昭和61年10月3日最高裁判所第二小法廷判決 特許法79条 (先使用による通常実施権) 第79条 特許出願に係る発明の内容を知らないで自らその発明をし、又は特許出願に係る発明の内容を知らないでその発明をした者から知得して、特許出願の際現に日本国内に…

民法第826条の利益相反行為と行為の動機

昭和37年10月2日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 親権者が自己の負担する貸金債務につき未成年の子の所有する不動産に抵当権を設定する行為は、借受金を右未成年の子の養育費に供する意図であつても、民法第八二六条にいう「利益が相反する行為」にあたる…

 破産者が株式会社である場合において破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示の効力

平成16年10月1日最高裁判所第二小法廷決定 裁判要旨 破産者が株式会社である場合において,破産財団から放棄された財産を目的とする別除権につき,別除権者が破産者の破産宣告当時の代表取締役に対してした別除権放棄の意思表示は,これを有効とみるべき特段…

他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合において,後行者の加えた暴行が当該傷害を生じさせ得る危険性を有しないときに,刑法207条を適用することの可否

令和2年9月30日最高裁判所第二小法廷決定 裁判要旨 1 他の者が先行して被害者に暴行を加え,これと同一の機会に,後行者が途中から共謀加担したが,被害者の負った傷害が共謀成立後の暴行により生じたとは認められない場合,その傷害を生じさせた者を知るこ…

マイナンバー(個人番号)利用差止等請求事件

令和5年3月9日最高裁判所第一小法廷判決 判示事項 行政機関等が、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(令和3年法律第36号による改正前のもの)に基づき、特定個人情報の利用、提供等をする行為は、憲法13条の保障する…