最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-08-26から1日間の記事一覧

買戻特約付売買契約の形式を採りながら目的不動産の占有の移転を伴わない契約の性質

平成18年2月7日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 買戻特約付売買契約の形式が採られていても,目的不動産の占有の移転を伴わない契約は,特段の事情のない限り,債権担保の目的で締結されたものと推認され,その性質は譲渡担保契約と解するのが相当である…

意思能力のある子がその自由意思に基づいて拘束者のもとにとどまつているとはいえない特段の事情があるとされた事例

昭和61年7月18日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 一 子が意思能力を有していても自由意思に基づいて監護者のもとにとどまつているとはいえない特段の事情がある場合には、監護者の子に対する監護は、なお人身保護法及び同規則にいう拘束に当たる。二 監護…

民法891条5号にいう遺言書の隠匿に当たらないとされた事例

平成6年12月16日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 被相続人甲からその子乙が遺言公正証書の正本の保管を託され、乙は遺産分割協議の成立に至るまで法定相続人の一人である姉に対して遺言書の存在と内容を告げなかったが、甲の妻丙は甲が公正証書によって遺…