最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-06-01から1日間の記事一覧

宿泊客がフロントに預けなかった物品の滅失毀損等につきホテル側に故意又は重大な過失がある場合とホテルの損害賠償義務の範囲を制限する宿泊約款の定めの適用

平成15年2月28日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 ホテルの宿泊客がフロントに預けなかった物品等で事前に種類及び価額の明告のなかったものが滅失,毀損するなどしたときにホテルの損害賠償義務の範囲を15万円の限度に制限する宿泊約款の定めは,ホテル…

請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴の係属中における,上記本訴請求債権を自働債権とし上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否

令和2年9月11日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし,他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に,本訴原告が,反訴において,上記本訴請求債権…

下請業者が施工業者との間で下請契約を締結する前に下請の仕事の準備作業を開始した場合において施主が下請業者の支出費用を補てんするなどの代償的措置を講ずることなく施工計画を中止することが下請業者の信頼を不当に損なうものとして不法行為に当たるとされた事例

平成18年9月4日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 建物の建具の納入等についての下請業者が施工業者との間で下請契約を締結する前に下請の仕事の準備作業を開始した場合において, (1)竣工予定時期に間に合うよう下請の仕事を完成するためには,施主が施工…

土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合にその余の共有者が右の者を被告にして右の訴えを提起することの許否

平成11年11月9日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 土地の共有者のうちに境界確定の訴えを提起することに同調しない者がいる場合には、その余の共有者は、隣接する土地の所有者と訴えを提起することに同調しない者とを被告にして右の訴えを提起することがで…

いわゆる一人会社の株主が定款所定の取締役会の承認を得ないでした株式譲渡の効力

平成5年3月30日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 1 代表取締役が取締役と認めていない者は、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律二四条一項にいう取締役に当たらない。2 いわゆる一人会社の株主がした株式譲渡は、定款所定の取締役会の承認が…