最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-06-02から1日間の記事一覧

 建物収去土地明渡請求訴訟の事実審口頭弁論終結後における建物買取請求権の行使と請求異議の訴え

平成7年12月15日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 土地の賃借人が賃貸人から提起された建物収去土地明渡請求訴訟の事実審口頭弁論終結後に建物買取請求権を行使した場合、その行使の効果は、建物収去土地明渡請求を認容する確定判決に対する請求異議の訴え…

司法警察員がした押収物の還付に関する処分に対する準抗告の決定に対する特別抗告事件

平成15年6月30日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 1 捜査機関による押収処分を受けた者は,刑訴法222条1項において準用する123条1項にいう「留置の必要がない」場合に当たることを理由として,当該捜査機関に対して押収物の還付を請求することが…

五五歳から六〇歳への定年延長に伴い従前の五八歳までの定年後在職制度の下で期待することができた賃金等の労働条件に実質的な不利益を及ぼす就業規則の変更が有効とされた事例

平成9年2月28日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 銀行が、就業規則を変更し、五五歳から六〇歳への定年延長及びこれに伴う五五歳以降の労働条件を定めた場合において、従前は、勤務に耐える健康状態にある男子行員が希望すれば五八歳までの定年後在職制度…

重度の聴覚障害及び言語を習得しなかったことによる二次的精神遅滞により精神的能力及び意思疎通能力に重い障害を負っている被告人が刑訴法三一四条一項にいう「心神喪失の状態」にはなかったと認められた事例

平成10年3月12日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 被告人が重度の聴覚障害及び言語を習得しなかったことによる二次的精神遅滞により精神的能力及び意思疎通能力に重い障害を負っている場合であっても、手話通訳を介することにより、刑事手続において自己の…

 日本に居住する日本人のドイツに居住するドイツ人に対する離婚請求訴訟につき日本の国際裁判管轄が肯定された事例

平成8年6月24日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 日本に居住する日本国籍の夫がドイツに居住するドイツ国籍の妻に対する離婚請求訴訟を日本の裁判所に提起した場合において、妻が先にドイツの裁判所に提起した離婚請求訴訟につき妻の請求を認容する旨の判…