最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-07-20から1日間の記事一覧

 当事者間の個人的な事情の変更と借地法一二条一項の規定による賃料額の増減の請求の可否

平成5年11月26日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 借地法一二条一項の規定により賃料額の増減が請求できる事情の変更には、賃料額決定の重要な要素となっていた当事者間の個人的な事情の変更も、含まれる。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/…

民法九〇三条一項により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又は割合の確認を求める訴えの適否

平成12年2月24日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 民法九〇三条一項により算定されるいわゆる具体的相続分の価額又はその価額の遺産の総額に対する割合の確認を求める訴えは、確認の利益を欠くものとして不適法である。 https://www.courts.go.jp/app/file…

国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に加えた損害につき国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う場合における使用者の民法715条に基づく損害賠償責任の有無

平成19年1月25日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 都道府県による児童福祉法27条1項3号の措置に基づき社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所した児童を養育監護する施設の長及び職員は,国家賠償法1条1項の適用において都道府県の公権力…

建築基準法四二条二項の指定により同条一項の道路とみなされている土地上に設置されたブロック塀の収去請求が許されないとされた事例

平成5年11月26日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 建築基準法四二条二項の指定により同条一項の道路とみなされている土地上にブロック塀が設置された場合において、右ブロック塀の設置により既存の通路の幅員が狭められた範囲がブロック二枚分の幅にとどま…

 判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が判決をした裁判官として署名押印していることを理由に上告裁判所が原判決を破棄する場合における口頭弁論の要否

平成19年1月16日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 上告裁判所は,判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が判決をした裁判官として署名押印していることを理由として原判決を破棄する場合には,必ずしも口頭弁論を経ることを要しない。 https://w…

被相続人の占有により取得時効が完成した場合において共同相続人の1人が取得時効を援用することができる限度

平成13年7月10日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 被相続人の占有により取得時効が完成した場合において,その共同相続人の1人は,自己の相続分の限度においてのみ取得時効を援用することができる。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/432/06…

不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう遺族厚生年金の逸失利益性

平成12年11月14日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 不法行為により死亡した者が生存していたならば将来受給し得たであろう遺族厚生年金は、不法行為による損害としての逸失利益に当たらない。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/265/052265_ha…

刑法等の一部を改正する法律(平成25年法律第49号)による刑の一部の執行猶予に関する各規定の新設と刑訴法411条5号にいう「刑の変更」

平成28年7月27日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 刑法等の一部を改正する法律(平成25年法律第49号)による刑の一部の執行猶予に関する各規定(刑法27条の2ないし27条の7)の新設は,刑訴法411条5号にいう「刑の変更」に当たらない。 https…

特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が,専門的な知識を有しない委託者との間で締結した商品先物取引委託契約上,委託者に対して負う説明義務及び通知義務

平成21年7月16日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 特定の種類の商品先物取引について差玉向かいを行っている商品取引員が専門的な知識を有しない委託者との間で商品先物取引委託契約を締結した場合,商品取引員は,上記委託契約上,商品取引員が差玉向かい…