最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-08-19から1日間の記事一覧

建築主と付近住民との紛争につき建築主に行政指導が行われていることのみを理由として建築確認申請に対する処分を留保することと国家賠償法1条1項所定の違法性

昭和60年7月16日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 建築主が、建築確認申請に係る建築物の建築計画をめぐつて生じた付近住民との紛争につき関係機関から話合いによつて解決するようにとの行政指導を受け、これに応じて住民と協議を始めた場合でも、その後、…

隣接居宅の日照通風を妨害する建物建築につき不法行為の成立が認められた事例

昭和47年6月27日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 居宅の日照、通風は、快適で健康な生活に必要な生活利益であつて、法的な保護の対象にならないものではなく、南側隣家の二階増築が、北側居宅の日照、通風を妨げた場合において、右増築が、建物基準法に違…

弁論更新手続上のかしが補正されたものと認められた事例

昭和51年6月29日最高裁判所第三小法廷判決 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/824/066824_hanrei.pdf 記録によると、本件第一審の第四回口頭弁論から第八回口頭弁論までの間審理を担当した裁判官のもとでは弁論更新の手続を欠いているが、次いで…

共同不法行為の加害者の各使用者間における求償権の成立する範囲

平成3年10月25日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 共同不法行為の加害者の各使用者が使用者責任を負う場合において、一方の加害者の使用者は、当該加害者の過失割合に従って定められる自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超える部分につき…

市が獣医師に飼犬又は飼猫の不妊手術を受けさせた市民にその手術料の一部に相当する金員を補助金として交付するに当たり獣医師を獣医師会支部に所属する者に限定した措置が国家賠償法上違法であるとはいえないとされた事例

平成7年11月7日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 市が、獣医師に飼犬又は飼猫の不妊手術を受けさせた市民である飼主にその手術料の一部に相当する金員を補助金として交付するに当たり、その獣医師を獣医師会支部に所属する者に限定した措置は、その趣旨が…

契約準備段階における信義則上の注意義務違反を理由とする損害賠償責任が認められた事例

昭和59年9月18日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 マンシヨンの購入希望者において、その売却予定者と売買交渉に入り、その交渉過程で歯科医院とするためのスペースについて注文を出したり、レイアウト図を交付するなどしたうえ、電気容量の不足を指摘し、…