最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-08-22から1日間の記事一覧

証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)の受益者が受益証券を販売した会社に対して有する一部解約金支払請求権を差し押さえた債権者が取立権の行使として上記会社に対し解約実行請求をして同請求権を取り立てることの可否

平成18年12月14日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 証券投資信託であるMMF(マネー・マネージメント・ファンド)であって,(1)投資信託約款において,受益証券の換金は受益者が委託者に対して信託契約の解約の実行を請求する方法によること,この解…

覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めながら共謀を認めずに無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決に,刑訴法382条の解釈適用の誤りはないとされた事例

平成25年4月16日最高裁判所第三小法廷決定 裁判要旨 覚せい剤を密輸入した事件について,被告人の故意を認めながら共謀を認めずに無罪とした第1審判決には事実誤認があるとした原判決は,被告人が,犯罪組織関係者から日本に入国して輸入貨物を受け取ること…

 ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えの適否

平成28年3月4日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えは不適法である。(補足意見がある。) https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/725/085725_hanrei.pdf 1 本件は,被上告人の株主である…