ミランダ警告は日本の判例法になっているか?
昭和28年4月14日最高裁判所第三小法廷判決
裁判要旨
一 第一回供述調書作成八日後に同一検事が更に被疑者を取り調べる場合には、改めて供述拒否権を告知しなくても刑訴一九八条二項に反しない。
二 供述拒否権を告知しないで取り調べても憲法三八条一項に反するものとはいえない。
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54602
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/602/054602_hanrei.pdf
第一回供述調書には、検事が同女を取調べるにあたり、あらかじめ刑訴一九八条二項に従つて供述を拒むことができる旨告げたという記載がある。第二回の取調べは、それから八日の後になされたのであるが、同一の犯罪につき、同一の検事野尻次作によつてなされた取調べであるから、同女はこの時には供述を拒み得ることを既に充分知つていたものと認められる。このような場合には、あらためて検事から供述拒否権のあることを告知しないでも、刑訴一九八条二項に違反するものとは言えない。論旨はこの場合に刑訴法上の違法あることを前提として原判決は憲法三一条に違反すると主張するのであるから、その前提を欠くものであつて理由がない。
なお、被疑者の取調にあたつて供述拒否権のあることをあらかじめ告知しなかつたからといつて、その取調に基く被疑者の供述がただちに任意性を失うということにはならない(所論の調書には、Aが「任意左のとおり供述した」との記載がある)のであるから、本件につき憲法三八条一項違反を主張することが理由のないことも、当裁判所の判例に照らして明らかである(昭和二五年(れ)第一〇八二号同年一一月二一日第三小法廷判決、昭和二二年(れ)第一〇一号同二三年七月一四日大法廷判決参照)。
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