最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-05-04から1日間の記事一覧

無期契約労働者に対して年末年始勤務手当を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとされた事例

令和2年10月15日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 郵便の業務を担当する無期契約労働者に対して年末年始勤務手当を支給する一方で,郵便の業務を担当する月給制契約社員又は時給制契約社員である有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件…

エネルギーの使用の合理化に関する法律11条の規定により製造業の事業者が経済産業局長に提出した定期報告書に記載された工場単位の各種の燃料等及び電気の使用量等の各数値を示す情報が,情報公開法5条2号イ所定の不開示情報に当たるとされた事例

平成23年10月14日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 エネルギーの使用の合理化に関する法律(平成17年法律第93号による改正前のもの)11条の規定により製造業の事業者が経済産業局長に提出した定期報告書に記載された工場単位の各種の燃料等及び電気…

無期契約労働者に対して退職金を支給する一方で有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違が労働契約法(改正前)20条にいう不合理と認められるものに当たらないとされた事例

令和2年10月13日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 地下鉄の駅構内の売店における販売業務に従事する無期契約労働者に対して退職金を支給する一方で,同業務に従事する有期契約労働者に対してこれを支給しないという労働条件の相違は,上記有期契約労働者が…

株式会社を設立する新設分割と詐害行為取消権

平成24年10月12日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 株式会社を設立する新設分割がされた場合において,新たに設立する株式会社にその債権に係る債務が承継されず,新設分割について異議を述べることもできない新設分割をする株式会社の債権者は,詐害行為…

自動車損害賠償保障法15条所定の保険金の支払を請求する訴訟において,裁判所は,同法16条の3第1項が規定する支払基準によることなく保険金の額を算定して支払を命じることができる。

平成24年10月11日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 自動車損害賠償保障法15条所定の保険金の支払を請求する訴訟において,裁判所は,同法16条の3第1項が規定する支払基準によることなく保険金の額を算定して支払を命じることができる。 https://www.…

 債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が差押債権の取立てとして金員の支払を受けた場合,申立日の翌日以降の遅延損害金も上記金員の充当の対象となるか

平成29年10月10日最高裁判所第三小法廷決定 裁判要旨 債権差押命令の申立書に請求債権中の遅延損害金につき申立日までの確定金額を記載させる執行裁判所の取扱いに従って債権差押命令の申立てをした債権者が当該債権差押命令に基づく差押債権の取立てとして…

少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍において公表した行為がプライバシーの侵害として不法行為法上違法とはいえないとされた事例

令和2年10月9日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 少年保護事件を題材として家庭裁判所調査官が執筆した論文を雑誌及び書籍に掲載して公表した場合において,少年のプライバシーに属する情報が上記論文に含まれており,当該情報が上記少年保護事件における…

定額郵便貯金債権が遺産に属することの確認を求める訴えの確認の利益

平成22年10月8日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 共同相続人間において定額郵便貯金債権が現に被相続人の遺産に属することの確認を求める訴えには,上記債権の帰属に争いがある限り,確認の利益がある。(補足意見がある。) https://www.courts.go.jp/app…

賞与の支給日前に退職した者が当該賞与の受給権を有しないとされた事例

昭和57年10月7日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 就業規則の「賞与は決算期毎の業績により各決算期につき一回支給する。」との定めが「賞与は決算期毎の業績により支給日に在籍している者に対し各決算期につき一回支給する。」と改訂された場合において、…