最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-05-11から1日間の記事一覧

日本放送協会の放送の受信についての契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合に発生する受信料債権の範囲

平成29年12月6日最高裁判所大法廷判決 裁判要旨 1 放送法64条1項は,日本放送協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に対しその放送の受信についての契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,日本放送協会からの上記契約の申込みに対…

離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡しを求めることが権利の濫用に当たるとされた事例

平成29年12月5日最高裁判所第三小法廷決定 子の引渡し仮処分命令申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件 裁判要旨 離婚した父母のうち子の親権者と定められた父が法律上監護権を有しない母に対し親権に基づく妨害排除請求として子の引渡し…

臨時員に対する雇止めにつき解雇に関する法理を類推すべき場合においてその雇止めが有効とされた事例

昭和61年12月4日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 当初20日間の期間を定めて雇用しその後期間2箇月の労働契約を5回にわたり更新してきた臨時員に対し、使用者が契約期間満了による雇止めをした場合において、右臨時員が季節的労務や特定物の製作のよう…

公訴時効を廃止するなどした「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」(平成22年法律第26号)の経過措置を定めた同法附則3条2項と憲法39条,31条

平成27年12月3日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 公訴時効を廃止するなどした「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」(平成22年法律第26号)の経過措置として,同改正法律施行の際公訴時効が完成していない罪について改正後の刑訴法250条1項…

取締役会の招集につき一部の取締役に対する通知もれがあつた場合と取締役会の決議の効力

昭和44年12月2日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 株式会社取締役会の開催にあたり、一部の取締役に対する招集通知を欠いた場合は、特段の事情のないかぎり、右招集手続に基づく取締役会の決議は無効であるが、その取締役が出席してもなお決議の結果に影響…

地上建物に対する仮差押えが本執行に移行して強制競売手続がされた場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたが,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では同一の所有者に属していなかったときの法定地上権の成否

平成28年12月1日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 地上建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有…