最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-05-23から1日間の記事一覧

建造物の管理権者が立入り拒否の意思を積極的に明示していない場合と建造物侵入罪の成否

昭和58年4月8日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 刑法130条前段にいう「侵入シ」とは、他人の看守する建造物等に管理権者の意思に反して立ち入ることをいう。2 建造物の管理権者が予め立入り拒否の意思を積極的に明示していない場合であつても、該建造物…

 特定の土地の分割方法を定めた遺言の存在を知らないでされた遺産分割協議の意思表示に要素の錯誤がないとはいえないとされた事例

平成5年12月16日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 特定の土地につきおおよその面積と位置を示して分割した上それぞれを相続人甲、乙、丙に相続させる趣旨の分割方法を定めた遺言が存在したのに、相続人丁が右土地全部を相続する旨の遺産分割協議がされた場…

遺言認知無効請求

昭和51年1月16日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 遺言者が、公正証書によつて遺言をするにあたり、公証人の質問に対し言語をもつて陳述することなく単に肯定又は否定の挙動を示したにすぎないときには、民法九六九条二号にいう口授があつたものとはいえず…

遺言無効確認の訴の適否

昭和47年2月15日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 遺言無効確認の訴は、その遺言が有効であるとすればそれから生ずべき現在の特定の法律関係が存在しない.ことの確認を求めるものと解される場合で、原告がかかる確認を求める法律上の利益を有するときは、…

1 営業譲渡契約が譲受会社にとつて財産引受に当たるのに原始定款に記載しなかつたことにより無効であるとの主張が信義則に反し許されないとされた事例   2 営業譲渡契約が株主総会の特別決議を経ていないことにより無効であるとの譲受人の主張が信義則に反し許されないとされた事例

昭和61年9月11日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 1 営業譲渡契約が譲渡会社の株主総会の特別決議を経ていないことにより無効である場合には、譲受人もまた右の無効を主張することができる。 2 営業譲渡契約が譲受会社にとつて財産引受に当たるのに、これ…

 公正証書による遺言が口授の要件を欠くものとはいえないとされた事例

昭和54年7月5日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 公証人が予め他人作成のメモにより公正証書作成の準備として筆記したものに基づいて遺言者の陳述を聞き、右筆記を原本として公正証書を作成した場合であつても、原審認定の事実関係(原判決理由参照)のも…

遺言者の押印の際に二人の証人のうち一人の立会いなく作成された遺言公正証書につきその作成の方式に瑕疵があるがその効力を否定するほかはないとまではいえないとされた事例

平成10年3月13日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 公正証書遺言において、証人は、遺言者の署名押印に立ち会うことを要する。2 公正証書遺言において、遺言者が、証人甲乙の立会いの下に、遺言の趣旨を口授しその筆記を読み聞かされた上で署名をしたとこ…