最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-06-06から1日間の記事一覧

監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判に基づき間接強制決定をすることができるとされた事例

平成25年3月28日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 1 監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において,面会交流の日時又は頻度,各回の面会交流時間の長さ,子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監…

保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合において相続人が保険金を受け取るべき権利の割合

平成6年7月18日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 保険契約において保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合は、特段の事情のない限り、右指定には相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする旨の指定…

刑訴法157条の3は,証人尋問の際に,証人が被告人から見られていることによって圧迫を受け精神の平穏が著しく害される場合があることから,その負担を軽減するために,そのようなおそれがあって相当と認められるときには,裁判所が, 被告人と証人との間で,一方から又は相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採り,同様に,傍聴人と証人との間でも,相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる

平成17年4月14日最高裁判所第一小法廷判決 刑訴法157条の3は,証人尋問の際に,証人が被告人から見られていることによって圧迫を受け精神の平穏が著しく害される場合があることから,その負担を軽減するために,そのようなおそれがあって相当と認められ…

給付訴訟において不執行の合意が認定された場合の判決主文

平成5年11月11日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 給付訴訟において、給付請求権について不執行の合意がある旨の主張がされ、その事実が認められる場合には、裁判所は、右請求権について強制執行をすることができないことを判決主文において明らかにすべき…

地上権者と土地境界確定訴訟の当事者適格

昭和57年7月15日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 係争土地の地上権者は、境界確定訴訟の当事者適格を有しない。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/424/070424_hanrei.pdf 相隣接する係争土地につき処分権能を有しない者は、土地境界確定の訴…

 保釈許可の裁判に対する準抗告の決定に対する特別抗告事件

平成24年10月26日最高裁判所第三小法廷決定 判示事項 特別抗告審において原決定が取り消され,保釈を許可した原々裁判が是認された事例 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/776/082776_hanrei.pdf 主 文 原決定を取り消す。 本件準抗告を棄却する…

建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えにつき確認の利益があるとされた事例

平成11年1月21日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 建物賃貸借契約継続中に賃借人が賃貸人に対し敷金返還請求権の存在確認を求める訴えは、その内容が右賃貸借契約終了後建物の明渡しがされた時においてそれまでに生じた敷金の被担保債権を控除しなお残額が…

課税処分の違法を理由とする国家賠償請求訴訟の提起及び追行に係る弁護士費用が当該処分と相当因果関係のある損害とされた事例

平成16年12月17日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 地方税の賦課決定を受けた者が,その税額等を納付した上で同決定について審査請求をし,裁決がされないまま約1年2か月が経過した後に当該賦課決定の違法を理由として国家賠償請求訴訟を提起したところ…

ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えの適否

平成28年3月4日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 ある議案を否決する株主総会等の決議の取消しを請求する訴えは不適法である。(補足意見がある。) https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/725/085725_hanrei.pdf 1 本件は,被上告人の株主である…

 抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間不動産を用益した者が賃借権の時効取得を当該不動産の競売又は公売による買受人に対抗することの可否

平成23年1月21日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 不動産につき賃借権を有する者がその対抗要件を具備しない間に,当該不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合,上記の者は,上記登記後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,当該不動産を継…

社債と利息制限法1条の適用の有無

令和3年1月26日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 債権者が会社に金銭を貸し付けるに際し,社債の発行に仮託して,不当に高利を得る目的で当該会社に働きかけて社債を発行させるなど,社債の発行の目的,会社法676条各号に掲げる事項の内容,その決定の…