最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-06-27から1日間の記事一覧

不当景品類及び不当表示防止法の規定にいう一般消費者と公正取引委員会による公正競争規約の認定に対する同法一〇条六項に基づく不服申立の利益

昭和53年3月14日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 一 不当景品類及び不当表示防止法一〇条六項にいう「第一項の規定による公正取引委員会の処分について不服があるもの」とは、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的…

恐喝の手段として監禁が行われた場合の罪数関係

平成17年4月14日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 恐喝の手段として監禁が行われた場合であっても,両罪は,牽連犯の関係にはない。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/078/050078_hanrei.pdf 弁護人の上告趣意は,判例違反の主張である。 そ…

所有者の異なる数筆の土地に跨つて存在する建物と建物買取請求権

昭和42年9月29日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 一 借地権者から建物とともに借地権を譲りうけた第三者が、該借地権譲受について賃貸人の承諾のえられぬまま、右建物に増築等の工事を施したときは、判示のような場合を除き、譲受当時の原状に回復したう…

行政処分無効確認訴訟提起後に右処分が取り消された場合と訴の利益

昭和36年4月21日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 行政処分無効確認訴訟は国家賠償請求の目的で提起されたものであるからといつて、処分庁が右処分を取り消した後においても、なおその法律上の利益があるということはできない。 https://www.courts.go.jp/…

執行力のある債務名義の正本を有する債権者が配当要求をした後に不動産競売の申立債権者が追加の手続費用を納付しなかったことを理由に競売手続が取り消された場合における右配当要求による時効中断の効力

平成11年4月27日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 一 不動産競売手続において執行力のある債務名義の正本を有する債権者がする配当要求は、差押えに準ずるものとして、配当要求に係る債権につき時効中断の効力を生ずる。二 執行力のある債務名義の正本を有…

「罪を行い終つてから間がないとき」および「誰何されて逃走しようとするとき」にあたるとされた事例

昭和42年9月13日最高裁判所第三小法廷決定 裁判要旨 一、爆発物取締罰則第一条に「人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ」とあるのは、必ずしも、人の身体・財産を害することが爆発物使用の唯一、排他的な動機であることを要求したものではない。二、犯罪…

相手方の陳述した事実に基づいてする訴の変更は請求の基礎に変更がある場合にも許されるか。

昭和39年7月10日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 一 相手方の陳述した事実に基づいて訴の変更をする場合には、請求の基礎に変更があるときでも、相手方の同意の有無にかかわらず、訴の変更は許されると解すべきである。 二 前項の場合における相手方の陳…