最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-08-16から1日間の記事一覧

違法な仮差押命令の申立てと債務者がその後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなくなったことにより喪失したと主張する得べかりし利益の損害との間に相当因果関係がないとされた事例

平成31年3月7日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 債権の仮差押命令の申立てが債務者に対する不法行為となる場合において,上記仮差押命令の申立ての後に債務者と第三債務者との間で新たな取引が行われなくなったとしても,次の(1),(2)など判示の事情の下…

 交通事故の被害者の近親者が看護等のため被害者の許に往復した場合の旅費と通常損害

昭和49年4月25日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 交通事故の被害者の近親者が看護等のため被害者の許に往復した場合の旅費は、その近親者において被害者の許に赴くことが、被害者の傷害の程度、近親者が看護にあたることの必要性等の諸般の事情からみて、…

担保不動産競売の債務者が免責許可の決定を受け,同競売の基礎となった担保権の被担保債権が上記決定の効力を受ける場合における,当該債務者の相続人の民事執行法188条において準用する同法68条にいう「債務者」該当性

令和3年6月21日最高裁判所第一小法廷決定 裁判要旨 担保不動産競売の債務者が免責許可の決定を受け,同競売の基礎となった担保権の被担保債権が上記決定の効力を受ける場合,当該債務者の相続人は,民事執行法188条において準用する同法68条にいう「債…

 普通河川を事実上管理する市が国家賠償法二条一項の責任を負う公共団体にあたるとされた事例

昭和59年11月29日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 市内を流れる普通河川について市が法律上の管理権をもたない場合であつても、もと農業用水路であつた右河川が周辺の市街化により都市排水路としての機能を果たすようになり、水量の増加及びヘドロの堆積…