最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-04-20から1日間の記事一覧

 名誉毀損の成否が問題となっている法的な見解の表明と意見ないし論評の表明

平成16年7月15日最高裁判所第一小法廷判決 裁判要旨 名誉毀損の成否が問題となっている法的な見解の表明は,判決等により裁判所が判断を示すことができる事項に係るものであっても,事実を摘示するものとはいえず,意見ないし論評の表明に当たる。 https://w…

県知事が管弦楽団による演奏会に出席したことが公務に該当するとされた事例

令和3年5月14日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 県知事が管弦楽団による演奏会に出席したことは,県がその事業の一環として当該演奏会を共催したものであるなど判示の事情の下では,公務に該当する。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=…

原判決認定の事実(第二審判定理由参照)に基く社宅の使用関係については、借家法の適用はないと解すべきである。

昭和30年5月13日最高裁判所第二小法廷判決 原判決認定の事実(第二審判定理由参照)に基く社宅の使用関係については、借家法の適用はないと解すべきである。 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57452 https://www.courts.go.jp/app/files/h…

私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によつて顕出された場合と文書の真正の推定。

昭和39年5月12日最高裁判所第三小法廷判決 裁判要旨 私文書の作成名義人の印影が当該名義人の印章によつて顕出されたものであるときは、反証のないかぎり、該印影は本人の意思に基づいて顕出されたものと事実上推定するのを相当とするから、民訴法第三二六条…

業務上過失致死事件につき禁錮10月の実刑が破棄されて執行猶予が付された事例:単なる量刑不当の主張でも最高裁は職権で破棄自判することがあり得る例

平成2年5月11日最高裁判所第二小法廷判決 業務上過失致死事件につき禁錮10月の実刑が破棄されて執行猶予が付された事例 https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57877 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/877/057877_hanrei.pdf 主…

銀行が,輸入業者の輸入する商品に関して信用状を発行し,当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,上記輸入業者が当該商品を直接占有したことがなくても,上記輸入業者から占有改定の方法によりその引渡しを受けたものとされた事例

平成29年5月10日最高裁判所第二小法廷決定 裁判要旨 銀行であるXが,輸入業者であるYの輸入する商品に関して信用状を発行し,これによってYが負担する償還債務等に係る債権の担保として当該商品につき譲渡担保権の設定を受けた場合において,次の(1)及び(…

婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず,反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことと憲法32条

平成20年5月8日最高裁判所第三小法廷決定 裁判要旨 婚姻費用の分担に関する処分の審判に対する抗告審が,抗告の相手方に対し抗告状及び抗告理由書の副本を送達せず,反論の機会を与えることなく不利益な判断をしたことは,憲法32条所定の「裁判を受ける権…