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刑法第一七二条にいう虚偽の申告とは、申告の内容をなすところの刑事懲戒の処分の原因となる事実が、客観的真実に反することをいうと解するを相当とする。

 昭和33年7月31日最高裁判所第二小法廷決定

裁判要旨    
刑法第一七二条にいう虚偽の申告とは、申告の内容をなすところの刑事懲戒の処分の原因となる事実が、客観的真実に反することをいうと解するを相当とする。

刑法

(虚偽告訴等)

第172条
人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役(拘禁刑)に処する。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50474

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/474/050474_hanrei.pdf

弁護人の上告趣意第一点は、判例違反をいうが、原判決は論旨引用の判例と相反する判断をしていないこと判文上明らかであるから、所論はその前提を欠き、同第二点は、事実誤認、単なる法令違反の主張に帰するものであり、被告本人の上告趣意は、事実誤認の主張を出でないものであつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない(なお、刑法一七二条にいう虚偽の申告とは、申告の内容をなすところの刑事、懲戒の処分の原因となる事実が客観的真実に反することをいうと解するを相当とし、第一審判決の認定した事実によると、被告人がAをしてBに刑事上の処分を受けしめる目的で司法警察員に対し申告せしめた事実は虚偽であることが明白であるから、原判決には所論の違法は存しない。)また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。