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上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

著作権法21条の複製権を時効取得する要件としての権利行使の態様とその立証責任

平成9年7月17日最高裁判所第一小法廷判決

裁判要旨    
一 漫画において一定の名称、容貌、役割等の特徴を有するものとして反復して描かれている登場人物のいわゆるキャラクターは、著作物に当たらない。
二 二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作物部分のみについて生じ、原著作物と共通し、その実質を同じくする部分には生じない。
三 連載漫画において、登場人物が最初に掲載された漫画の著作権の保護期間が満了した場合には、後続の漫画の著作権の保護期間がいまだ満了していないとしても、当該登場人物について著作権を主張することはできない。
四 著作権法二一条の複製権を時効取得する要件としての継続的な行使があるというためには、著作物の全部又は一部につき外形的に著作権者と同様に複製権を独占的、排他的に行使する状態が継続されていることを要し、そのことについては取得時効の成立を主張する者が立証責任を負う。
五 被上告人の平成五年法律第四七号による改正前の不正競争防止法(昭和九年法律第一四号)一条一項一号に基づく差止請求に対して、上告人が商標権の行使を理由として同法六条の抗弁を主張している場合において、事実審の口頭弁論終結後に当該商標権につき商標登録を無効とする審決が確定したときは、民訴法四二〇条一項八号に照らし、被上告人は上告審でこれを主張することができる。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/776/054776_hanrei.pdf

 

上告代理人の上告理由第一点について

 一 原審の適法に確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。

 1 被上告人B1(「被上告人B1」)と同名のアメリカ合衆国の法人である訴外B1(「旧B1」)は、アメリカ合衆国において、その社員をして職務上創作させたポパイ等の登場人物を有する一話完結形式の漫画である「シンブル・シアター」を、昭和四年(一九二九年)一月一七日から新聞、単行本に逐次連載ないし掲載したが、このうち最初に公表された作品である、同日のニューヨーク・イブニング・ジャーナルに掲載された漫画(「第一回作品」)は、別紙二のとおりの内容であった。ポパイは、「シンブル・シアター」の主人公であって、水兵帽をかぶり、水兵服を着、口にパイプをくわえ、腕にはいかりを描き、ほうれん草を食べると超人的な強さを発揮する船乗りとして描かれている。

 2 右の一連の漫画の著作権は、旧B1が被上告人B2(「被上告人B2」)に吸収合併されたことにより同被上告人に承継され、次いで、昭和一八年(一九四三年)一二月三一日、同被上告人から同日設立された被上告人B1に譲渡された。同被上告人は、昭和一九年(一九四四年)から少なくとも平成元年(一九八九年)四月二八日現在に至るまで、その社員をして右一連の漫画の続編となるポパイ等の登場人物を有する漫画を職務上創作させて、新聞、単行本に逐次連載ないし掲載している(以下、旧B1及び被上告人B1がその社員に職務上創作させたポパイを登場人物とする一連の漫画を総称して「本件漫画」という。)。旧B1は、昭和一三年(一九三八年)二月二五日、本件漫画のうち第一回作品について著作権登録をし、被上告人B1は、昭和三一年(一九五六年)二月一〇日、同被上告人名義でその更新登録をしている。

 3 上告人は、昭和五七年五月から別紙一記載の図柄(「本件図柄一」)を付したネクタイを販売している。

 二1 本件訴訟において、被上告人B1は、次のとおり主張して、上告人に対し、著作権に基づく差止請求として、本件図柄一を付したネクタイの販売の差止め及び上告人の所有するネクタイからの同図柄の抹消を求めている。

(1) 本件漫画の主人公ポパイは、その容貌、性格等が連載を通じて一貫性を持って描かれており、本件漫画から独立したキャラクターとして漫画とは別個の著作物となるものであるところ、本件図柄一は、ポパイのキャラクターの複製としてその著作権を侵害する、

(2) キャラクターが独立の著作物といえないとしても、本件漫画につき、連載に係る各回の各完結する漫画ごとに著作権が成立し、本件図柄一は、右各漫画におけるポパイの絵の複製として右各漫画の各著作権を侵害する。
 これに対して、上告人は、次のとおり主張して、これを争っている。(1) 本件漫画は法人著作であり、昭和四年(一九二九年)一月一七日に公表された第一回作品の著作権の保護期間は、平成二年五月二一日の経過をもって満了したものであるところ、(2) キャラクターが独立の著作物であるとすれば、本件におけるポパイのキャラクターも法人著作であり、その著作権の保護期間は本件漫画に最初にポパイが登場した第一回作品の公表時から起算すべきであるから、前同日の経過により満了した、(3) 本件漫画につき、連載に係る各回の漫画ごとに著作権が成立し、その保護期間も個別に各公表時から起算するとしても、第一回作品の後に新聞、単行本に連載ないし掲載された漫画(「後続作品」)の著作権は、後続作品において新たに付与された創作性のある部分についてしか主張することができないというべきである、(4) 本件では、既に第一回作品において主人公ポパイの特徴を備えた絵が表示されており、後続作品に表示されているポパイの絵はその複製にすぎず、本件図柄一は後続作品において新たに付与された創作性のある部分を含むものではないから、後続作品の著作権に基づいて上告人の本件図柄一の使用の差止めを求めることもできない。

 2 原審は、次のとおり判断して、被上告人B1の本件漫画の著作権に基づく本件図柄一に関する差止請求を認容した。

(1) ポパイのキャラクターが本件漫画を離れて別個の著作物であるということはできないが、

(2) 本件図柄一は本件漫画の主人公ポパイの絵の複製に当たるものであって、

(3) 本件漫画については、連載に係る各回の漫画ごとに著作権が成立し、その保護期間も個別に各公表時から起算すべきものであるから、第一回作品の著作権の保護期間が平成二年五月二一日の経過をもって満了しても、後続作品には著作権の保護期間が満了していないものがあり、

(4) 第一回作品において主人公ポパイの特徴を備えた絵が表示されていても、後続作品のうちいまだ著作権の保護期間が満了していない漫画の著作権に基づいて上告人の本件図柄一の使用の差止めを求めることは許される。

 三 しかしながら、原審の右判断のうち(4)の部分は是認することができない。

その理由は、次のとおりである。

 1 著作権法上の著作物は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」(同法二条一項一号)とされており、一定の名称、容貌、役割等の特徴を有する登場人物が反復して描かれている一話完結形式の連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。

けだし、キャラクターといわれるものは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということができないからである。

したがって、一話完結形式の連載漫画においては、著作権の侵害は各完結した漫画それぞれについて成立し得るものであり、著作権の侵害があるというためには連載漫画中のどの回の漫画についていえるのかを検討しなければならない。

 2 このような連載漫画においては、後続の漫画は、先行する漫画と基本的な発想、設定のほか、主人公を始めとする主要な登場人物の容貌、性格等の特徴を同じくし、これに新たな筋書を付するとともに、新たな登場人物を追加するなどして作成されるのが通常であって、このような場合には、後続の漫画は、先行する漫画を翻案したものということができるから、先行する漫画を原著作物とする二次的著作物と解される。

そして、二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作的部分のみについて生じ、原著作物と共通しその実質を同じくする部分には生じないと解するのが相当である。

けだし、二次的著作物が原著作物から独立した別個の著作物として著作権法上の保護を受けるのは、原著作物に新たな創作的要素が付与されているためであって(同法二条一項一一号参照)、二次的著作物のうち原著作物と共通する部分は、何ら新たな創作的要素を含むものではなく、別個の著作物として保護すべき理由がないからである。

 3 そうすると、著作権の保護期間は、各著作物ごとにそれぞれ独立して進行するものではあるが、後続の漫画に登場する人物が、先行する漫画に登場する人物と同一と認められる限り、当該登場人物については、最初に掲載された漫画の著作権の保護期間によるべきものであって、その保護期間が満了して著作権が消滅した場合には、後続の漫画の著作権の保護期間がいまだ満了していないとしても、もはや著作権を主張することができないものといわざるを得ない。

 4 ところで、著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいうところ(最高裁昭和五三年九月七日第一小法廷判決)、複製というためには、第三者の作品が漫画の特定の画面に描かれた登場人物の絵と細部まで一致することを要するものではなく、その特徴から当該登場人物を描いたものであることを知り得るものであれば足りるというべきである。

 5 これを本件についてみるに、原審の前記認定事実によれば、第一回作品においては、その第三コマないし第五コマに主人公ポパイが、水兵帽をかぶり、水兵服を着、口にパイプをくわえ、腕にはいかりを描いた姿の船乗りとして描かれているところ、本件図柄一は、水兵帽をかぶり、水兵服を着、口にパイプをくわえた船乗りが右腕に力こぶを作っている立ち姿を描いた絵の上下に「POPEYE」「ポパイ」の語を付した図柄である。右によれば、本件図柄一に描かれている絵は、第一回作品の主人公ポパイを描いたものであることを知り得るものであるから、右のポパイの絵の複製に当たり、第一回作品の著作権を侵害するものというべきである。

ところで、アメリカ合衆国国民の著作物については、平成元年三月一日以降はベルヌ条約により、それ以前は万国著作権条約によって我が国がこれを保護する義務を負うことから、日本国民の著作物と同様の保護を受けるところ(著作権法六条三号参照)、本件漫画は法人著作であり、その著作権の保護期間は公表後五〇年であって、昭和四年(一九二九年)一月一七日に公表された第一回作品の著作権の保護期間は、右公表日の翌年である昭和五年一月一日を起算日として、連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律四条一項によるアメリカ合衆国国民の著作権についての三七九四日の保護期間の加算をして算定すると、平成二年五月二一日の経過をもって満了したから、これに伴って第一回作品の著作権は消滅したものと認められる。

前記の原審認定事実によれば、本件図柄一は、第一回作品において表現されているポパイの絵の特徴をすべて具備するというに尽き、それ以外の創作的表現を何ら有しないものであって、仮に後続作品のうちいまだ著作権の保護期間の満了していないものがあるとしても、後続作品の著作権を侵害するものとはいえないから、被上告人B1は、もはや上告人の本件図柄一の使用を差し止めることは許されないというべきである。

 四 したがって、これと異なる見解に立って、後続作品のうちいまだ著作権の保護期間の満了していない漫画の著作権に基づいて上告人の本件図柄一の使用を差し止めることが許されるとして、被上告人B1が著作権に基づいて本件図柄一を付したネクタイの販売の差止め及び上告人の所有するネクタイからの同図柄の抹消を求める請求を認容すべきものとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があり、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。論旨は理由があり、その余の上告理由について判断するまでもなく、同被上告人の請求中、本件図柄一を付したネクタイの販売の差止め及び上告人の所有するネクタイからの同図柄の抹消を求める部分につき、原判決は破棄を免れない。そして、右部分につき第一審判決を取り消して、右部分に関する同被上告人の請求を棄却すべきものである。

 同第二点について

 一 本件において、被上告人B1は、本件漫画の著作権に基づく損害賠償請求として、上告人が昭和五七年五月三一日から同五九年五月三一日までの間本件図柄一を付したネクタイを販売したことにより被った損害の賠償を求めている。

これに対して、上告人は、次のとおり、本件図柄一の複製権につき取得時効が成立した旨の抗弁を主張している。

(1) Dは、本件図柄一と構成を同じくする商標につき、昭和三三年六月二六日商標登録出願をし、同三四年六月一二日に設定登録(登録第五三六九九二号)を受けたが(以下、右の商標権を「本件商標権」といい、その登録商標を「本件商標」という。)、同四六年三月四日に本件商標権をE株式会社に譲渡して移転登録を経由し、同会社は、同五九年七月三〇日に本件商標権を上告人に譲渡して移転登録を経由したところ、

(2) D及びEは、昭和三三年六月二六日以降、本件商標権と共に本件図柄一の複製権を継続して行使してきたから、Eは二〇年の時効期間が経過した昭和五三年六月二六日に本件図柄一の複製権を時効取得したものであり、

(3) 上告人は、Eから本件商標権と共に右複製権を承継した。

 二 原審は、(1) 著作権法二一条の複製権は、民法一六三条にいう「所有権以外ノ財産権」に含まれるが、(2) Dは、昭和三三年六月二六日に本件商標の商標登録出願を行うに際して、本件漫画の主人公ポパイの絵を複製して本件図柄一を作成することについて被上告人B1の許諾を得ていないから、Dによる本件図柄一の複製は同条にいう「自己ノ為メニスル意思」を欠くとして、上告人の前記取得時効の抗弁を排斥した。

 三 原審の右判断のうち(2)の部分は是認することができないが、次に述べる理由により上告人の右取得時効の抗弁は採用することができないから、結局のところ、原判決の前記説示部分の違法は、その結論に影響しないものというべきである。

 1 著作権法二一条に規定する複製権は、民法一六三条にいう「所有権以外ノ財産権」に含まれるから、自己のためにする意思をもって平穏かつ公然に著作物の全部又は一部につき継続して複製権を行使する者は、複製権を時効により取得すると解することができるが、複製権が著作物の複製についての排他的支配を内容とする権利であることに照らせば、時効取得の要件としての複製権の継続的な行使があるというためには、著作物の全部又は一部につきこれを複製する権利を専有する状態、すなわち外形的に著作権者と同様に複製権を独占的、排他的に行使する状態が継続されていることを要し、そのことについては取得時効の成立を主張する者が立証責任を負うものと解するのが相当である。

 2 他方、民法一六三条にいう「自己ノ為メニスル意思」は、財産権行使の原因たる事実によって外形的客観的に定められるものであって、準占有者がその性質上自己のためにする意思のないものとされる権原に基づいて財産権を行使しているときは、その財産権行使は右の意思を欠くものというべきである。

これを本件についてみるに、原判決の挙げる、Dが被上告人B1の許諾を得ないで本件図柄一を作成したという事実をもっては、Dがその性質上自己のためにする意思のないものとされる権原に基づいて財産権を行使していたということはできないから(むしろ逆に、Dが同被上告人の許諾を得て本件図柄一を複製したとすれば、そのことからDにおいて自己のためにする意思を欠いていたということができる。)、Dによる本件図柄一の複製が自己のためにする意思を欠くものであるとして上告人の取得時効の抗弁を排斥した原審の判断は、法令の解釈適用を誤ったものというべきである。

 3 しかし、原審の認定によれば、上告人の主張する時効期間(昭和三三年六月二六日から二〇年)の間、被上告人B1がアメリカ合衆国において本件漫画を新聞、単行本に逐次連載ないし掲載していたほか、同被上告人から本件漫画の著作権について独占的利用権の設定を受けた被上告人B2が我が国において多数の企業との間で本件漫画の使用許諾契約を締結し、右契約に基づいてポパイの絵の付された菓子、文具、衣料、雑貨等の商品が広く市場に流通していたというのであり、加えて、前記のとおり本件図柄一に描かれているポパイの絵は、その姿態等において格別特異な特徴はなく、他のポパイの絵一般と識別すべき特徴が何ら認められないものであって、右によれば、D及びEは、本件漫画における主人公ポパイの絵一般についてはもちろん、本件図柄一に表示されたポパイの絵に限定したとしても、これを複製する権利を独占的、排他的に行使していたということができないから、上告人の取得時効の抗弁は理由がない。

 四 そうすると、さきに説示したとおり、本件図柄一は、第一回作品のポパイの絵の複製として、その著作権を侵害するものであるから、上告人が本件図柄一を付したネクタイを右著作権の保護期間の満了前である昭和五七年五月三一日から同五九年五月三一日までの間販売したことにより被上告人B1が被った損害については、上告人は著作権の侵害として賠償の責めを負うものというべきである。右によれば、原審の判断は結論において是認することができるから、結局のところ、所論は理由がないことに帰する。論旨は採用することができない。

 同第三点一について

原審において、被上告人B2及び被上告人有限会社B3は、上告人に対して、旧不正競争防止法(平成五年法律第四七号による全部改正前のもの)一条一項一号に基づいて、第一審判決添付第一目録(五)記載の図柄(「本件図柄二」)を付したマフラー及び本件図柄一又は同二を付したネクタイの販売の差止め並びにマフラー及びネクタイからの右各図柄の抹消を求めており、これに対して、上告人は、右各図柄の使用は本件商標権の行使に当たるから同法六条により右被上告人らの差止請求は及ばない旨を抗弁として主張している。
 しかるところ、当審において、右被上告人らは、本件商標権につき商標登録を無効とする審決が確定した旨を主張し、右被上告人らの提出した昭和五八年審判第一九一二三号審決謄本及び商標登録原簿記載事項証明書によれば、本件商標権につき、平成七年一月二四日に商標法四条一項七号に該当するものとして同法四六条一項一号により商標登録を無効とするとの審決があり、同年四月三日に右審決が確定して、同年六月二七日に商標登録が抹消されたことが認められる。右は民訴法四二〇条一項八号所定の再審事由に該当するものであって、右被上告人らの前記主張は当裁判所においてこれを考慮すべきものであるところ、これによれば本件商標権は初めから存在しなかったものとみなされるから、上告人の前記抗弁がその前提を欠くものとして失当であることは明らかである。
 したがって、上告人の右抗弁についての原審の判断の違法をいう論旨は、その内容につき判断するまでもなく、採用することができない。

 その余の上告理由について

 所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係及び記録に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する事実の認定を非難し、独自の見解に立って原判決の違法をいうか、又は原審において主張していない事由に基づいて原判決を論難するものであって、採用することができない。
 以上によれば、被上告人B1の上告人に対する本件請求のうち、本件図柄一を付したネクタイの販売の差止め及び上告人の所有するネクタイからの同図柄の抹消を求める部分については、原判決を破棄し、第一審判決を取り消して、右部分に関する同被上告人の請求を棄却すべきであり、上告人の同被上告人に対するその余の上告及びその余の被上告人らに対する上告は棄却すべきである。 

Summary of the Judgment:

A so-called "character" in a manga, which is repeatedly depicted with certain names, appearances, roles, and other features, does not constitute a copyrighted work.
Copyright of a derivative work arises only for the newly added creative portion of the derivative work and does not arise for parts that are common to and essentially the same as the original work.
In a serialized manga, if the copyright protection period of the manga where a character first appeared has expired, one cannot claim copyright for that character even if the copyright protection period for subsequent mangas has not yet expired.
To acquire a limitation right to the reproduction right under Copyright Law Article 21 through continuous exercise, it requires a state where the reproduction right is exercised exclusively and exclusively for the whole or part of the copyrighted work, similar to the copyright holder. The burden of proof for this lies with the person asserting the establishment of the prescription.
If, in a case where the defendant is claiming injunction under Article 1, Paragraph 1, Item 1 of the Unfair Competition Prevention Act before its amendment by Law No. 47 of Heisei 5, the appellant claims a defense under Article 6 of the same law based on the exercise of trademark rights, and after the conclusion of the oral arguments in the factual trial, a judgment confirming the invalidity of the said trademark registration is finalized, the defendant can assert this in the appellate court in light of Article 420, Paragraph 1, Item 8 of the Civil Procedure Law.

弁護士中山知行