最高裁判例の勉強部屋:毎日数個の最高裁判例を読む

上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

2023-05-21から1日間の記事一覧

所有権確認請求訴訟で敗訴した原告が後訴において共有持分の取得を主張することが前訴の確定判決の既判力に抵触して許されないとされた事例

平成9年3月14日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 丙の共同相続人である甲乙間の土地の所有権確認請求訴訟において、甲の請求を棄却する旨の判決が確定した場合には、甲、乙がそれぞれ右土地の所有権を単独で取得したと主張して争っており、甲が事実審口頭…

共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合における共有物分割と遺産分割の関係

平成25年11月29日最高裁判所第二小法廷判決 裁判要旨 1 共有物について,遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合,共有者が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は民法258条に基づく共有物分割訴…

判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が民訴法254条1項により判決書の原本に基づかないで第1審判決を言い渡した場合

令和5年3月24日最高裁判所第二小法廷判決 判示事項 事件が一人の裁判官により審理された後、判決の基本となる口頭弁論に関与していない裁判官が民訴法254条1項により判決書の原本に基づかないで第1審判決を言い渡した場合において、全部勝訴した原告が…

 執行処分が弁済受領文書(民事執行法39条1項8号)の提出による強制執行の停止の期間中にされたものであったとしても、そのことにより当該執行処分が当然に無効となるものではない

令和5年3月2日最高裁判所第一小法廷判決 判示事項 執行処分が弁済受領文書(民事執行法39条1項8号)の提出による強制執行の停止の期間中にされたものであったとしても、そのことにより当該執行処分が当然に無効となるものではない 民事執行法 (強制執行…

消費税更正処分等取消請求事件

令和5年3月6日最高裁判所第一小法廷判決 判示事項 事業者が消費税等の確定申告において課税期間中に行った課税仕入れに係る消費税額の全額を当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除したことにつき国税通則法(平成28年法律第15号による改正前…

上告棄却決定に対する異議申立て事件

令和5年3月7日最高裁判所第一小法廷決定 判示事項 被告人が弁護人に対し上告趣意書差出最終日前に被告人作成の上告趣意書を送付したが、弁護人が上告棄却決定後にこれを裁判所に提出したという事案につき、上告棄却決定に判断遺脱はないとされた事例 https:/…

債権差押命令に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件

令和5年3月29日最高裁判所第三小法廷決定 判示事項 第三債務者が差押命令の送達を受ける前に被差押債権の支払のために電子記録債権を発生させた場合、上記被差押債権についての転付命令が第三債務者に送達された後に上記電子記録債権の支払がされたときは、…

勾留理由の開示に対する特別抗告申立ての適否

令和5年5月8日最高裁判所第一小法廷決定 判示事項 勾留理由の開示に対する特別抗告申立ての適否 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/065/092065_hanrei.pdf 令和5年(し)第270号 勾留理由開示に対する特別抗告事件令和5年5月8日 第一小法…

納骨堂経営許可処分取消、納骨堂経営変更許可処分取消請求事件

令和5年5月9日最高裁判所第三小法廷判決 判示事項 墓地、埋葬等に関する法律10条の規定により大阪市長がした納骨堂の経営又はその施設の変更に係る許可について、当該納骨堂の所在地からおおむね300m以内の場所に敷地がある人家に居住する者は、その取…

3番所有権抹消登記等請求事件

令和5年5月19日最高裁判所第二小法廷判決 判示事項 1 共同相続人の相続分を指定する旨の遺言がされた場合における、遺言執行者と不動産の所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えの原告適格(消極)2 相続財産の全部又は一部を包括遺贈する旨の遺言がさ…