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天皇と民事裁判権

平成元年11月20日最高裁判所第二小法廷判決

裁判要旨    
天皇には民事裁判権は及ばない。

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52451

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/451/052451_hanrei.pdf

天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ、天皇には民事裁判権が及ばないものと解するのが相当である。したがって、訴状において天皇を被告とする訴えについては、その訴状を却下すべきものであるが、本件訴えを不適法として却下した第一審判決を維持した原判決は、これを違法として破棄するまでもない。記録によれば、本件訴訟手続に所論の違法はなく、また、所論違憲の主張はその実質において法令違背を主張するものにすぎず、論旨は採用することができない。