宣誓無能力者が宣誓のうえした証言の効力。
昭和40年10月21日最高裁判所第一小法廷判決
裁判要旨
民訴法第二八九条により宣誓をさせることのできない者が宣誓のうえした証言であつても、裁判所は、これを証拠として採用することができる。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/885/053885_hanrei.pdf
民訴法二八九条による宣誓能力のない者に誤つて宣誓させた上なした証人尋問は、違法な手続によるものではあるが、宣誓させて尋問すべき証人を誤つて宣誓させずして尋問した場合と異なり、訴訟法上有効であるから、責問権の放棄を論ずるまでもなく、裁判所はその証言が虚偽の陳述でないと認める限り、これを証拠として採用するを妨げないと解するを相当とする。
本件記録によれば、第一審が証拠調の当時一三才の証人Fに対し民訴法二八九条一号に違反して宣誓させた上なした証人尋問を原審が証拠として採用したことは認められるけれども、原審が右証言を虚偽の陳述でないと評価して採用したことは原判文上明らかであるから、右証言を証拠として採用したからといつて、何ら所論違法は存しない。論旨は右と反対の見解に立つて原判決を非難するものであつて、採用できない。
現在の民事訴訟法
(宣誓)
第二百一条 証人には、特別の定めがある場合を除き、宣誓をさせなければならない。
2 十六歳未満の者又は宣誓の趣旨を理解することができない者を証人として尋問する場合には、宣誓をさせることができない。
3 第百九十六条の規定に該当する証人で証言拒絶の権利を行使しないものを尋問する場合には、宣誓をさせないことができる。
4 証人は、自己又は自己と第百九十六条各号に掲げる関係を有する者に著しい利害関係のある事項について尋問を受けるときは、宣誓を拒むことができる。
5 第百九十八条及び第百九十九条の規定は証人が宣誓を拒む場合について、第百九十二条及び第百九十三条の規定は宣誓拒絶を理由がないとする裁判が確定した後に証人が正当な理由なく宣誓を拒む場合について準用する。
Current with legislation from 2023 effective through June 30, 2023.
Section 2317.30 - Oath of witness
Before testifying, a witness shall be sworn to testify the truth, the whole truth, and nothing but the truth.