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上告理由を発見するためには常日頃から最高裁判例を読む習慣が有効:弁護士中山知行/富士市/TEL0545-50-9701

裁判官の行なう裁判と国家賠償法の適用の有無

昭和43年3月15日最高裁判所第二小法廷判決

裁判要旨    
裁判官の行なう裁判についても、国家賠償法の適用は当然には排除されない。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/303/066303_hanrei.pdf

裁判官のなす職務上の行為について、一般に、国家賠償法の適用があることは所論のとおりであつて、裁判官の行う裁判についても、その本質に由来する制約はあるが、同法の適用が当然排除されるものではない。

しかしながら、原判決(引用の第一審判決を含む。以下同じ)が当事者間に争いのない事実として確定するところによれば、原告(上告人)は所論決定に対し、福岡高等裁判所に抗告し、抗告棄却の決定を受け、さらに最高裁判所に特別抗告をしたが右抗告も棄却されて、前記決定が確定するに至つたというのであるから、他に特段の事情のない限り、右裁判官のした所論の行為には何らの違法もなかつたものと解するのが相当である。

されば、上告人の主張する事実がすべて真実に合致するとしても、被上告人に同法一条の責任を生ずるものではないから、上告人の本訴請求は、それ自体失当である。原判決には、同法の解釈適用について誤りがあるが、原判決が結論において上告人の請求を容れなかつたのは正当といわなければならない。